新規顧客を開拓したいときは、どのような方法、順序でアプローチをするかが重要です。
スムーズに目標を達成したいときは、デマンドジェネレーションなどのマーケティングのノウハウを意識してみましょう。
デマンドジェネレーションと似た言葉に、リードジェネレーションがあります。
今回は、デマンドジェネレーションの概要やリードジェネレーションとの意味の違いなどを解説します。
デマンドジェネレーションの概要
デマンドジェネレーションと聞いても、具体的な意味がわからない人もいるかもしれません。ここではデマンドジェネレーションとはどのような背景、意味をもつ言葉なのかをまとめました。
アメリカで広まったマーケティング用語
デマンドジェネレーションは、2000年ごろから広く使用されるようになった用語です。アメリカのマーケティング業界で広まったこの用語は、日本の企業でも徐々に使われるようになりました。
マーケティングの研究が盛んなアメリカでは、専門家による新しい理論や手法が数多く生み出されています。デマンドジェネレーションも、マーケティングをよりスムーズにおこなうためのアプローチとして注目されている手法です。
需要を創り出すことを目指す
「demand(需要)」の「generation(生成)」と名付けられたこの言葉は、名前の通り需要を創り出す活動を指します。
営業の成功率は、需要があるかないかによって変わることが多いです。デマンドジェネレーションでは、顧客が求めていることを探り、営業する側が新たに需要を創り出すことを目指します。
将来、顧客になってくれそうな相手のニーズを把握して、広くアプローチを仕掛けることは、デマンドジェネレーションの活動のひとつです。
既存の顧客を維持することだけに注力するのではなく、積極的に新規顧客を開拓していくのがこの活動の特徴になっています。
見込み顧客を育成して営業対象にするのが活動の最終目標
デマンドジェネレーションは、活動全体を複数のプロセスにわけて段階的にアプローチを進めていきます。この活動では、見込み顧客の獲得はもちろん、獲得した顧客の育成や絞り込みもおこないます。
自社の商品やサービスに興味がある人を定着させ、最終的に営業対象へと育てていくのが、デマンドジェネレーションのスタイルです。
デマンドジェネレーションのメリット
デマンドジェネレーションのメリットは、見込みのない顧客に営業時間を費やすことが減るため、効率的な営業が可能になることです。
この活動をおこなった場合、自社の商品やサービスに関心がない顧客へのメールや電話に費やしていた時間を、見込み客へアプローチする時間に換えることができるため、営業の効率を上げることが可能です。
その他、それぞれの顧客に対して適材適所のアプローチができるようになるのも、デマンドジェネレーションのメリットのひとつです。
デマンドジェネレーションとリードジェネレーションは違う?
リードジェネレーションは、デマンドジェネレーションの最初のステップのことです。リードジェネレーションには、「見込み顧客の獲得」という意味があります。
デマンドジェネレーションは、リードジェネレーションを含むマーケティング活動全体を指す言葉です。同じマーケティング用語でも、両者の意味は少し異なります。
デマンドジェネレーションの3つのステップ
デマンドジェネレーションには、リードジェネレーションのほかにも2つのステップがあります。
マーケティングでは、以下で紹介する3つのステップを順に進めていくのが一般的です。それぞれのステップでおこなう具体的な活動内容や活動の重要ポイントを、ここでは紹介していきます。
1.リードジェネレーション
テレアポでの営業やダイレクトメールの送付、セミナー、展示会の開催などは、リードジェネレーションで行われる活動のひとつです。
このようなアプローチで自社の商品やサービスについてアピールをすることは、将来的な顧客を獲得するうえでも有効です。
このステップでは、インターネットが活用されるケースも増えています。サイトのお問い合わせフォームや資料請求フォームなどは、インバウンドのリードジェネレーションで広く活用されているツールです。
「フォームで問い合わせがあった顧客にアンケートを送付する」などのアプローチも、リードジェネレーションではしばしばおこなわれています。
2.リードナーチャリング
リードナーチャリングでは、リードジェネレーションで獲得した見込み顧客を将来の顧客に育てる活動をおこないます。
顧客を定着させる目的で活用されているのが、メールマガジンです。自社の商品やサービスに興味をもった顧客をメールマガジンの登録に誘導すると、マーケティングが進めやすくなることが多いです。
実際、購買意欲が高まるような内容のメールを定期的に配信すれば、当初は単なる好奇心でメルマガ登録をした人も徐々に購入を考えるようになるかもしれません。
不動産関連の企業などでは、このリードナーチャリングを上手に活用して将来の顧客を育てていることがあります。
高額な不動産を購入、売却する際には、情報を集めてじっくりと考えてから取引をしたいと考える人が少なくありません。
メールマガジンでこのような顧客に役立つような情報を配信することは、自社の信頼性を高めるうえでも役立つ可能性があります。
リードナーチャリングは、BtoBのマーケティングでも広く活用されています。
リードナーチャリングについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
3.リードクォリフィケーション
リードクォリフィケーションのステップでおこなうのが、見込み顧客の絞り込みです。
デマンドジェネレーションの最終段階であるこのステップでは、登録されている顧客の情報や属性、これまでの利用履歴などをもとに、購入する可能性が高い人や契約する見込みがある人を選別します。
ホットリードを選別するこのプロセスでは、さまざまな基準で顧客を分類し、点数をつけるスコアリングと呼ばれるアプローチがとられることもあります。
一人ひとりの顧客の興味の度合いや、属性と購買意欲の関連性などを分析するのも、リードクォリフィケーションの活動のひとつです。
絞り込みで購入や契約の可能性が高い顧客が明確になれば、営業担当者がそれぞれの相手に合わせて的確なアプローチができます。
順番や活動内容を間違えないことが大切
デマンドジェネレーションを3つのステップで進めるときの重要ポイントは、順番や活動内容を間違えないようにすることが大事です。
3つのステップをランダムな順番で進めてしまうと、望んでいる結果が得られない可能性がでてきます。
面倒に感じる場合でも、リードジェネレーションからワンステップごとに活動を進めていくことがマーケティングを成功させるコツになるでしょう。
各ステップに組み込む活動内容は、最終目標を意識して構成することが必要です。
たとえば、最終目標が「商品の購入」の場合は、見込み顧客の立場にたって購入に至るまでの道筋を考えると、どのような活動が有効かが見えてくる場合があります。
デマンドジェネレーションを実現するマーケティングオートメーションツール
デマンドジェネレーションでは、顧客データの収集と管理をおこない、得た情報を活用することが重要になってきます。
情報を分析して適切なアプローチを見出すには、集めたデータを有効に活用する方法を考える必要があるでしょう。このようなときに役立ってくれるのが、マーケティングオートメーションツールです。
スコアリングやアクセス解析の機能が備わった便利なツール
MAの略称で知られるマーケティングオートメーションツールは、デマンドジェネレーションに活用できるさまざまな機能が備わっています。
たとえば、見込み顧客を自動的にスコアリングする機能です。このような機能が備わっていれば、ツールが自動的に顧客に点数をつけて仕分け作業をおこなってくれます。
また、この手のツールにはアクセス解析やトラッキングの機能も備わっていることが多いです。
自社のサイトにアクセスをした人のログ記録やサイトを離れた後の行動を分析すれば、その顧客が興味をもっていることがスムーズに把握できる可能性があります。
メールの自動送信やコンテンツの自動設定も可能
マーケティングオートメーションツールは、見込み顧客にメールを自動で送信する機能が搭載されているケースもあります。
メールでマーケティングをおこなう場合、すべての相手に同じ内容のメールを送るのは必ずしも得策ではありません。
ツールを使って設定をしておけば、スタッフが一通一通を確認しなくても、その都度相手に適したメールを送信することが可能です。
顧客に合わせてサイトで提供するコンテンツの内容が自動設定できるのも、マーケティングオートメーションツールの便利な点です。
ツールの導入後に期待できること
企業がこのようなツールを導入した場合、活用できていないデータを再利用してマーケティングに活かせる可能性があります。
ツールを使用すると、現状で活用されていない会員データなどを掘り起こして将来の顧客に育てていくことも可能になります。
すでに登録している人のデータを活用する場合、やり方次第ではスピーディにマーケティングが進められるでしょう。
セグメンテーションの設定さえ間違わなければ、リードナーチャリングの対象者の絞り込みもスムーズにおこなえます。スタッフのスキルに業務の質が左右されにくくなることも、ツールを導入したときのメリットです。
人間が分析作業や仕分けをおこなうときには、その人のスキルに結果が左右されがちです。ツールが業務を代行してくれれば、このような問題がなくなります。
業務の質を安定させてデマンドジェネレーションをおこなうと、最終目標を達成できる確率もアップする可能性があります。
BtoB営業におすすめのツールは「GeAIne(ジーン)」
デマンドジェネレーションでは、顧客データの収集と管理をおこない、得た情報を活用することが重要とお話しましたが、BtoB営業に関しても同じです。
アプローチに対しての反応を営業活動に活かすためには、情報をまとめて管理・分析して次のアクションを決定していく必要があります。
おすすめのツールはRPAの技術を使って、新規顧客の獲得を効率化できる「GeAIne(ジーン)」です。RPAとは、「Robotic Process Automation」の頭文字を取った言葉で、「コンピューターを使って行う定型的な作業をロボットにより自動化すること」を意味します。
GeAIneを活用すれば、企業のWebサイト上にある問い合わせフォームやメールアドレスに対して、自動的にアプローチでき、リードジェネレーションの段階の顧客へのアプローチにかける時間を大幅に削減できます。
また、顧客リストをアップロードするだけで自動的にグルーピングしてくれる機能や、顧客のメール開封率やリンクのクリック率などを比較・分析する機能もあり、質の高い情報で営業活動をサポートしてくれます。
このようなツールを利用すれば、作業的な業務に費やしていた時間を顧客にアプローチする時間に変えることができますので、業務効率化を考えている方は検討してみてはいかがでしょうか。
デマンドジェネレーションの特徴を理解して営業に活かしてみよう
デマンドジェネレーションは、マーケティングをおこなう企業が広く取り入れているアプローチです。
このようなアプローチをひと通り理解していれば、営業で新規顧客を開拓する際にも役立つ知識です。
ここで紹介したようなマーケティングオートメーションツールは、マーケティングの知識があまりない人でもスムーズにデマンドジェネレーションが進められるのが魅力です。
自社にあった方法でデマンドジェネレーションを営業活動にとりいれてみてはいかがでしょうか。