インターネットや通信技術の発達に伴い、スマホやパソコンなどで手軽に動画を視聴するのが当たり前になってきています。
こうした時代にとても適した広告手段が、動画広告です。
しかしこの動画広告、出すとしても種類が多くてよく分からない、という方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では広告を出す際の参考になるよう、動画広告の種類や特徴、平均費用などを詳しくご紹介します。
動画広告とは
動画配信サイトなどで動画を視聴する際、動画の前後や途中で広告が流れてくることがあります。
それが動画広告なのですが、インターネットの普及により動画広告市場も伸びています。スマホやパソコンなどで気軽に動画が見られるようになり、テレビCMに代わる新しい広告手段として動画広告が注目されています。
ネットの通信速度が改善し、電車などでの移動中も動画が視聴可能になったこともその要因の1つです。
動画広告はインターネットが生活に浸透しつつある現代に、とても適した広告手段だと言えるでしょう。
動画広告のメリット
動画広告には次のような様々な特徴やメリットがあります。動画広告を出すのであれば、そういった特徴やメリットを意識した広告を作成するのが肝心です。
1.インパクトがある
動画は目を引きやすいものであり、ユーザーに対するインパクトが強いという特徴があります。
文字だけで説明されるより、テキストに音や映像が加わることでよりユーザーに伝わりやすく、印象に残りやすいため、商品やサービスの名前を覚えてもらえる可能性が高くなります。
動画広告を作る際には、その特徴を最大限活用するのが基本です。
ユーザーの関心を引くようなインパクトのある広告でなければ、動画広告の成果を実感するのは難しいでしょう。印象的で、ユーザーが興味を持つような広告の制作を心掛けましょう。
2.次のアクションに繋げやすい
広告は見てもらうだけではなく、次へのアクションを呼び起こしてこそ意味があります。
動画広告も同様ですが、動画広告には次へのアクションに繋がりやすいという特性があります。
なぜかというと、文章で説明させるよりも実際の画像や動画を流したほうが視覚や聴覚からも情報を届けることができるため、ユーザーへの訴求効果が高く、動画の流れでついクリックしてしまうというユーザーの行動を喚起しやすくなります。
興味を抱いたユーザーを次へと導きやすいのが、動画広告の大きなメリットです。
3.短時間で多くの情報を伝えられる
動画広告の特徴の1つに、複数の情報を同時に届けられる、というものがあります。
文字広告の場合は文字だけになりがちですが、動画ならアニメーションや画像と音声、さらにはテロップでコメントまで同時にユーザーに送り届けられるのです。
短い時間で伝えたい情報をアピールできるのが動画広告の良い点です。
4.比較的費用が安い
テレビや雑誌、新聞紙上に広告を掲載する場合、費用は高くなりがちです。
数十万円から数百万、ときによっては1,000万円を超えることもあります。
動画広告は、通常そこまで費用がかかりません。制作費は別途かかりますが、テレビや雑誌、新聞と比べると費用が安く、広告を掲載しやすいのも動画広告のメリットです。
しかしながら、テレビCMや雑誌・新聞の広告は、幅広い人々にアピールしやすい媒体です。それぞれの特徴を活かし、上手に使い分けるのが賢明です。
動画広告の注意点
動画広告にはメリットだけではなく、注意すべき点もあることは覚えておきましょう。次のようなポイントに気をつけて、広告を作成する必要があります。
1.途中でカットされる可能性がある
ユーザーは見たい動画を楽しむために配信サイトに来ます。そのため動画の最初や最後、途中で挿入される動画広告を、カットしてしまう傾向があります。
せっかく動画広告を利用するのですから、できるだけカットされないような構成にすることが大事です。
そのためにはユーザーが関心を持つような導入部分になるよう気をつけましょう。
2.動画の作成には時間がかかる
動画広告を作成するにはある程度の費用がかかりますが、必要なのは制作費だけではありません。
広告用の動画を企画・撮影し、編集するためにはそれ相応の期間がかかります。
動画広告を出そうと思っても、制作の時間も考えるとすぐにはできないというわけです。
動画広告を出すのであれば、事前の準備が欠かせません。
3.質が問われる
動画広告はインパクトがあるため、質の良し悪しも如実に伝わってしまいます。質の悪い動画広告では、印象にも残らないことでしょう。
特に注意したいのが、ユーザーに不快感を与えないことです。
広告を不快に感じた場合、商品やサービスに対しても悪い印象を持つ可能性が高くなります。そうなっては広告としては逆効果です。
質が高く、不快感を与えない広告の作成を意識しましょう。
動画広告の種類
動画広告を出せるのは、動画配信サイトだけではありません。各種SNSや写真投稿サイトなどにも、動画広告の配信は可能です。
それぞれの媒体に適した動画広告があり、その種類は増えてきています。ここではその中から主要な4つを選び、解説していきます。
1.インストリーム動画広告
動画広告と言えば、このインストリーム動画広告を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
動画配信サイトなどで、動画プレイヤーと同じサイズで表示されるのがこのインストリーム動画広告です。
動画がスタートする前に流れる広告(プリロール動画広告)と、動画の途中及び動画の後に流れる広告があります。
またこの動画広告には、スキップが可能なスキッパブル広告と、スキップのできないノンスキッパブル広告の2種類が存在します。
ノンスキッパブル広告の長さは、15秒以内であることがほとんどです。
動画と同じ大きな画面に表示されるのがこの広告のメリットですが、スキップされることがある点には注意が必要です。
2.インバナー動画広告
この動画広告の特徴は、Webサイト内の従来のバナー枠に表示される点です。
インディスプレイ広告と呼ばれることもありますが、動画配信サイト以外にも広告を配信できるのがメリットです。
また、インストリーム動画広告のようなスキップ機能が付いておらず、最後まで広告を再生できるのも良い点です。
広告の上にマウスを乗せると、動画の再生がスタートするといったものもあり、インタラクティブで目を引きやすい広告となっています。
基本的に音声はOFFですが、デフォルトでONだと視聴者の邪魔になることもあるのが注意すべきポイントです。
3.インリード動画広告
Webページをスクロールしている際、広告が表示されると同時に動画の再生がスタートするのがこのインリード動画広告です。
縦にスクロールすることの多いスマホには、特に適した広告だとして注目されています。
広告が正しく表示されてから動画が開始されるので、動画の最初からユーザーが関心を持ちそうな内容にするのが肝心です。
またニュースサイトなどに配信されることが多く、ニュース記事と関連するような広告にしておくと興味を引く可能性が高まります。
ただしニュース記事をじっくりと読みたいというユーザーの場合、邪魔だと感じることもあるので要注意です。
4.インフィード動画広告
SNSのタイムライン上に埋め込まれているのがこの広告です。
広告をスクロールすれば動画もストップするので、ユーザーの邪魔になりにくいのがメリットです。
他の投稿と同じように並んでいるため、自然に見てもらえるのも良い点ですが、そのまま流し見されてしまうこともあります。
動画に見入り、思わずリツイートしたくなるような広告にするのが肝心です。
「いいね」や「リツイート」が多くなればなるほど、拡散するスピードも加速します。
動画広告の平均費用
動画広告の平均費用は疎かにはできないポイントです。費用対効果を高めるためにも、平均費用はしっかりと掴んでおきましょう。
代表的な課金方法とその平均費用は、次のようになっています。
CPV課金
CPV(Cost Per View)課金の特徴は、動画広告が1回再生されるたびに料金が発生するというところです。
ただし全ての再生が対象となるわけではなく、広告を30秒以上再生するか、最後まで再生した場合にのみ料金がかかります。途中でスキップしたときには、課金対象とはならないというわけです。
インストリーム動画広告によく採用されるのが、この課金方法です。
費用対効果の高い動画広告であり、単価の平均費用は3~20円となっています。
初期投資が高くなることもありますが、動画広告初心者に適した課金方法だと言えるでしょう。
CPM課金
1,000回再生されるたびに料金が発生するのが、このCPM(Cost Per Mile)課金です。
動画の前後や途中に再生される、6秒以内の短い広告(バンパー広告)に主に使われる課金方法でもあります。
このCPM課金の単価はジャンルによって異なり、平均費用も200~800円と幅があるのが特徴です。
バンパー広告はスキップ機能がないので最後まで見てもらえるのが良い点ですが、6秒以内と短いので動画の作成にはスキルが必要です。
CPC課金
CPC(Cost Per Click)課金は、配信した動画広告が1回クリックされるたびに料金が発生するというものです。
ユーザーがクリックしない限り課金されないので、広告費が無駄になりません。
また、広告の効果分析がしやすい点もメリットです。
しかしこのCPC課金、競合他社の存在などによりコストが増加してしまう場合もあります。平均費用は100円ほどですが、ケースによってはとても高くなることがあります。
効果的な動画広告を出すためには
動画広告は注目される広告方法ですが、動画広告ならどんなものでもよい、というわけではありません。
効果的な広告にするためには、次のような点に注意する必要があります。
ターゲットを絞る
広告を出すのは、売りたい商品やサービスをアピールするためです。
売りたいターゲットに届かなくては、広告を出す意味がなくなってしまいます。動画広告も同じです。
まずターゲットを絞り、それに適した動画広告を作成するのが肝心です。
他の広告と連動・統一する
動画を楽しみにしているユーザーにとって、動画広告はある意味余計な存在でもあります。
少しでも不快にならないよう気をつける必要がありますが、不快に感じさせない方法があるのでご紹介しましょう。
それは、バナー広告やリスティング広告などといった他の広告と連動させ、統一感を与えるという方法。
他で見たことのある広告には、それほど拒絶反応は起きないものです。ブランディングにも繋がるので、可能であればこの方法を取り入れることをおすすめします。
ユーザーの役に立つ広告
ユーザーが欲しているものや、悩みを解消してくれる商品を紹介する広告は、ユーザーの役に立つ広告だとも言えるでしょう。
動画を視聴するユーザー層に合った、役に立つ動画広告を制作することはとても効果的なやり方です。
ターゲットを絞った後は、その対象に役立つ広告の作成に努めましょう。
売りたい商品やサービスに合った動画広告を選ぼう
動画広告の種類は増える傾向にあり、それぞれに強みと弱みが存在します。
また、コストの面でも違いがあり、広告費用を無駄にしないためにも動画広告の選択は慎重にすべきです。
大切なのは、売りたい商品やサービスに適した動画広告を選ぶことです。
今回の記事を参考にして動画広告をチョイスし、ターゲットに合った動画を作成して広告に出しましょう。