Googleアナリティクスには多数の分析項目が用意されていますが、その中に直帰率と離脱率という項目があります。これらは、サイトの状況を把握するためにも重要な指標ともされています。
しかし、この2つの項目はそれぞれがどのような役割を示すのか、それぞれの違いについて少々わかりづらい用語でもあります。今回はそういった方に向けて、直帰率と離脱率の違いについて解説していきます。また、この記事では改善方法についても触れていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
直帰率とは
直帰率とは、サイトを訪れた訪問者(セッション)のうち、「直帰」= すぐ他のサイトへ行ってしまった訪問者(セッション)の割合を示したものです。
この数値が高いほど、自分のサイト内にあるコンテンツを1ページ見ただけで、見るのをやめてしまった人が多いと捉えることができます。
例えば、サイト内にAページとBページがある時に、AページからBページへ移ることなく他のサイトへ行ってしまったり、ネットを見ることをやめてしまったユーザーがいたとします。そのような1ページだけを閲覧したユーザーの割合を、計算して導き出したものが直帰率です。
計算方法
直帰率を求める際には、以下の計算式で求めることができます。
直帰率 = 1ページしか見なかったユーザー(セッション)の数 ÷ 全ユーザー(セッション)の数 × 100
例えば、AページとBページの2ページが用意されたサイトで、100人のユーザーがAページに訪れたとします。そのうち38人はAページを閲覧後Bページへ移動し、残り62人のユーザーはBページへ移行せずサイトを離れました。この場合の直帰率は、Bページへ移行することのなかった62人のユーザーをページへ訪れた100人で割るので、62 ÷ 100 × 100 = 62。つまり、直帰率は62%になります。
離脱率とは
離脱率は、ページビュー数のうちサイトを離れたユーザーの割合を示したものです。
そのため、離脱率の高いページがあれば、そのページのコンテンツが影響して離脱していると判断できるため、該当コンテンツを修正することで離脱率を改善する、というような施策を計画できます。
直帰率と離脱率の違い
これだけを見ると、直帰率と離脱率は変わりがないように思えますが、それぞれ違った役割を担っています。
直帰率は、当該ページ1ページだけを見てすぐにサイトを離れてしまったユーザーの割合を示したものでした。
離脱率は、1つのページだけの滞在だったのか、他のページを見ていたのか関係なく、ページごとのサイトから離れてしまったユーザーの割合を示しています。
したがいまして、直帰率も離脱率のなかに含まれる数値で、その中でも1つのページだけを見ただけですぐにサイトを離れたユーザーの割合に絞ったものを直帰率として表しています。
Googleアナリティクス上での確認方法
直帰率と離脱率は、それぞれどのようにGoogleアナリティクス上で確認することができるのでしょうか?直帰率に関してはGoogleアナリティクスでも確認しやすいですが、特に離脱率は人によって見たことがない人もいるでしょう。ここからは、各指標のGoogleアナリティクス上での確認方法について解説します。
直帰率の場合
直帰率を確認する方法はいくつか存在しています。
- Googleアナリティクスの「ホーム」から
- 「オーディエンス」→「概要」→「ユーザーサマリー」の一部として表示
- 「行動」→「概要」から
- 「行動」→「サイトコンテンツ」→「全てのページ」から
それぞれ上記いずれかの該当のページを開くと直帰率が表示されますので、その値を参考にサイト改善を行なっていきましょう。
離脱率の場合
続いて離脱率の確認方法です。
- 「行動」→「サイトコンテンツ」→「全てのページ」から
- 「行動」→「サイトコンテンツ」→「離脱ページ」から
- 「ホーム」→「ユーザーが訪れているページは?」→「ページレポート」から
上記いずれかの方法でページごとの離脱率を確認できますので、コンテンツ改善に活かしてみてください。
直帰率・離脱率を改善するには
これらの指標を用いて具体的な改善を行っていく際、主に以下のことを意識すべきです。詳しく解説します。
- ページの読み込み速度
- ユーザービリティ
- ユーザー期待していたコンテンツがない
ページの読み込み速度
サイトを閲覧している際に、サイトの表示が遅いことから閲覧をやめてしまった経験はないでしょうか?せっかく「このサイト気になる!」と思ってリンクを押してみたものの、いつまでもアニメーションがくるくる回ったままで、なかなかサイト内のコンテンツ・記事が表示されないことが時折あるかと思います。
読み込みが遅いサイトを開いてしまった場合、よほど見たい内容が掲載されているサイトでない限りほとんどの方が戻るボタンを押したり、ブラウザを閉じてしまったりするかと思います。このように、サイトの読み込みが遅いと多くのユーザーは離脱してしまうのです。
サイトがこのような状況になっていると、どれだけ良いコンテンツを投入したとしても、多くの人に認知してもらうことは難しいでしょう。サイトの表示速度計測ツール等を活用して少しずつ改善していきましょう。Googleが公式に提供する「PageSpeed Insights」がおすすめです。
ユーザビリティ
ユーザービリティとは、サイトへ訪れるユーザーの使いやすさ・使い勝手を意味する言葉です。このユーザビリティを意識したサイトほど、当然使いやすいサイトであるため、ユーザーからの評価は上がり「またこのサイトに来たい」「他にどんな内容のものがあるんだろう?」と継続して閲覧してもらえる可能性が上がります。
ユーザービリティを向上させる具体的な方法には、一部ですが以下のようなものがあります。
- 記事に見出しを付ける
- サイトの導線がわかりやすい
- アコーディオンやページネーションなど適切なユーザーインターフェース
- ページの読み込み速度
また、サイト内で他のページを閲覧しやすいように、メニューの配置を工夫することや、関連性の強いページ・記事への導線を設置してコンテンツを継続してみてもらいやすいよう、回遊しやすいサイト設計にすることも大切です。
ユーザーが期待していたコンテンツがない
ユーザーが遷移する前に期待していたコンテンツと、ページのコンテンツが違った場合、ユーザーは失望して離脱してしまうでしょう。ユーザーの流入元を想定し、その訪問意図をよく考えてコンテンツを作るようにしましょう。
また、サイト内リンクの文字列もユーザーの期待を裏切らない、適切なものになっているかを見直すことも効果的です。
まとめ:直帰率と離脱率の違いとは
今回は直帰率と離脱率の違いについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
改めて今回の内容をまとめると
- 直帰率は1ページだけ見てサイトを離れたユーザーの割合
- 離脱率は直帰率も含めて該当ページから離脱した人の割合
- どちらの指標もGoogleアナリティクス上で確認可能
- 指標を基にページを改善することが大切
直帰率・離脱率共に数値が高ければ高いほど、Googleの検索エンジンからの評価が悪くなるともいわれています。可能な限りは数値低くするように心がけた方が良い指標ですので、実際の数値を眺めながら少しずつでも改善を図っていきましょう。