「ロングテールSEOについて説明できますか」と聞かれた時に、自分は説明できると自信を持って答えられる人は少ないのではないでしょうか。
「おおまかな言葉の意味はわかるけど、メリットやデメリット、具体的な手順はわからない….」という人も多いはず。
今回はそんな「ロングテールSEO」についてBowned編集部が解説していきたいと思います。
ロングテールSEOとは?
ロングテールSEO(ロングテール戦略)では、メインキーワードと関連はしているものの検索数が低いキーワードにおいてターゲットを絞り、ピンポイントに情報を提供することによりサイトを上位表示させます。
またそのようなページを様々なキーワードで作成します。
そうした、アクセス数は低いものの確実に上位に入るサイトを積み重ねることでサイト全体の検索数を高めるSEO戦略のことです。
具体的なロングテールキーワードとしては「ダイエット 食事 おすすめ」などが挙げられます。
また、以上のようなロングテールSEO、ないしはロングテールキーワードの特徴として「検索意図がはっきりしており、購買意欲が高いものが多い」というのがあります。
検索意図が明確、購買意欲が高いということは、つまりCTR(クリック率)やCVR(成約率)が高くなり少ない検索ボリュームでもCV(コンバージョン)に繋がりやすいということです。
ここからは、ロングテールSEOのメリット・デメリット・手順について解説していきます。
ロングテールSEOのメリット
競合率が少なく検索結果の上位を取りやすい
前述の通り、ロングテールキーワードはターゲットが絞られるためその分競合が減ります。
これによって検索結果の上位に自分のサイトが表示されやすくなります。
検索ボリュームが低く難易度が低いロングテールキーワードでは、順位の取りにくいビッグキーワードやミドルキーワードとは違い、記事をアップしてから3日後に検索結果1ページ目に来ているということが往々にしてあります。
短期間で結果が見えるのは大きなメリットと言えるでしょう。
コンバージョン率が高い
ターゲットが絞られると自動的に話題の方向性も絞られていくため、記事が書きやすくなります。
例えば、「ダイエット」というキーワードより、「ダイエット おすすめ 食事」というキーワードのほうが、よりユーザーの求めているコンテンツの解像度が上がるため、それに沿った記事を書くだけでニーズを満たせることになります。
そしてこうした解像度の高いキーワードというのは上にも挙げたように検索意図が明確であり購買意欲が高いため、検索流入数が低くてもコンバージョンに結びつきやすいです。
安定した集客が期待できる
ロングテールSEOではキーワードに関連する様々な記事を書いていくのですが、それだけに様々な検索キーワードに引っかかるようになります。
その結果としてアクセスが分散されるため、それぞれのページ順位が変動して集客に変動が起きたとしてもサイト全体で見ればアクセスが安定します。
内部リンクを貼りやすくなる
SEOにおいては被リンク(自サイトのとあるページに向けて外部ページから貼られるリンク)が重要です。
被リンクというと外部のサイトからのものを想像する方が多いかもしれませんが、自サイト内での内部リンクも同じく重要です。
例えば「リンゴ」というキーワードを設定して、それを軸に
- 「リンゴ おいしい 時期」
- 「リンゴ スイーツ 渋谷」
- 「リンゴ 皮むき 早い 方法」
などのロングテールキーワードに関する記事を作れば、軸が同じ「リンゴ」であるため各記事の間で自然と内部リンクを巡らせやすくなります。
ロングテールSEOのデメリット
一見メリットづくしのように見えるロングテールSEOですが、デメリットも少なからず存在します。
コンテンツが重複する危険性がある
ロングテールSEOでは記事を複数作成する必要があるため、進めていけば進めていくほどサイトの管理が大変になります。
例えば、「脱毛」がテーマのサイトにおいてロングテールSEOを行った場合には
- 「脱毛 男 渋谷」
- 「脱毛 値段 神奈川」
- 「脱毛 部位 価格」
という風に記事がどんどん増えていきます。
コンテンツの数が増えると、それらに設置したリンクが切れていたりといったトラブルに対応する頻度が高まるかもしれません。
また、成果が一向に出ない記事も少なからず存在するでしょう。
成果が出ているものとそうでないものを分析し、それぞれに合った手法で改善を施す必要もでてくるはずです。
このように管理が大変になってしまうというデメリットがあります。
またロングテールSEOによって記事数が多くなるとキーワードの重複も起こるため、Googleから重複コンテンツとみなされた場合にサイトの評価が下がり順位が上がらなくなってしまうことも考えられます。
これはカニバリゼーションという現象で、同サイト内の複数ページが同じ言葉をSEOキーワードとして使用した時に検索エンジンが「どのページを上位に表示させればよいのかわからない」といったように判断ができなくなり、ページごとの評価が分散してしまうことを言います。
これを防ぐためにも、必ず「1検索意図=1記事」を守って記事を作りましょう。
さらに、記事数が増えるとどこに内部リンクを貼っていてどこには貼っていないかなどが把握できないということが発生し、内部リンクの管理が難しくなってしまいます。
ミドルキーワードやビッグキーワードで表示されにくい
スモールキーワードによって小さく多く勝つという戦略を取っているためここはトレードオフのようなものですが、当然ながらミドルキーワードやビッグキーワードの中での検索順位は弱いものとなってしまいます。
しかし、ロングテールキーワードの記事からミドル、ビッグキーワードの記事に内部リンクを当てることによってミドル、ビッグキーワードでの上位表示も可能です。
ロングテールSEOの具体的な手順
軸となるキーワードを選ぶ
まずはじめに、自分が攻めたいジャンルの大きいキーワードを設定します。
狙うジャンルと関連性のあるキーワードを執筆することで、どんなサイトなのか検索エンジンにわかりやすく示すことができます。
そしてこのように、わかりやすいサイトをユーザーに提供することで結果的に評価が上がり、アクセスアップに結びつきやすくなります。
Googleのキーワードプランナーの「新しいキーワードを見つける」や、Yahoo!知恵袋を活用して書くべき大きなワードを探します。
例えば、転職に関するサイトであれば関連する言葉には「仕事」「退職」などがあります。大きい、軸になるキーワードは自分のジャンルに関係あると思えば書いてしまって良いです。
ただ、前述したカニバリゼーションには気をつけるようにしてください。
選んだキーワードに組み合わせられるワードを選ぶ
たとえば「転職」をメインワードに据えた時、「転職 神奈川」「転職 30代」といった風に組み合わせを作ります。
ロングテールSEOは比較的ニッチなワードを突いて記事を作成する手法ですが、それでもあまりにも検索需要がないのでは記事を作ったところで誰も見てくれません。
ある程度の検索数が確認されているワード(こちらについてもGoogleキーワードプランナーを参照)を使うと良いです。
関連キーワード取得ツールや、Ubersuggestという無料SEO対策ツールを用いてサジェストを抽出し、ロングテールキーワードを抽出します。
キーワードボリュームを計測するツールとしてはGogleキーワードプランナーとubersuggestが存在しますが、ubersuggestは無料で正確な数値を出してくれるのでそちらを優先して使っていきましょう。
またここの「ある程度の検索数」とは50以上を目安とするとよいでしょう。
50以下だと記事を書く労力にあまりリターンが見合わないですが、それでも自分が書くべきだと感じたら書くことをおすすめします。
スモールキーワードによって新しい記事を書く
スモールキーワードを設定したら、次はそれを元にして記事を作成します。
前述の通り、「これを見るユーザーは何を欲しがっているのか」「どんな問題を解決しにきているのか」というところを常に意識しながら執筆しましょう。
この記事でも既に触れていますが、検索意図が被った記事を上げてしまうとGoogleに重複コンテンツとみなされ検索順位が落ちてしまうため、検索結果を見て検索意図が被っていないかを確認しましょう。
目安としては、上位5記事の検索結果が3つ以上一緒であれば同じ検索意図として考えましょう。
(例えば、『リンゴ』と『リンゴとは』の検索結果は上位5記事の内3つ以上が共通の記事であるため、検索意図は同じであると言える)
また、記事を書くときは、その検索意図に対してしっかりと答えるコンテンツのボリュームを大きくするようにしましょう。
ロングテールSEOとロングテールキーワードにおいて注意すべきポイント
スモールキーワードと言えど、良質な記事を用意する
ロングテールSEOはその性質上沢山の記事が必要ですが、数が多くなるからといって記事のクオリティを下げることがないようにしましょう。
ユーザーのニーズを満たすことができないと検索上位に上がることもできません。
ビッグキーワードなどと比べると話題の範囲が狭いものを作ることになりますが、だからこそ悩みを持って訪れたユーザーがそのページだけで悩みを解決し、完結させられるぐらいの質の記事を作成するようにしましょう。
検索ボリュームが大きいキーワードも狙う
ロングテールキーワードの記事を書いたら、それの上位に位置するキーワードでも記事を書きましょう。
例えば、「リンゴ 調理 方法」というロングテールキーワードで記事を書いていたら、「リンゴ 調理」というキーワードが上位キーワードです。
この例での「リンゴ 調理」などのある程度検索ボリュームが大きいキーワードの記事に対して、ロングテールキーワードの記事から内部リンクを飛ばすことによって順位を取れる可能性が非常に高くなります。
ロングテールキーワードだけしか書かないのは非常にもったいないことと言えるでしょう。
まとめ:ロングテールSEOとは?
ロングテールSEOについて解説しましたが、いかがだったでしょうか。
- ロングテールSEOは狙いをピンポイントにした、アクセスは少ないがコンバージョン率は高いページを積み重ねる戦略のこと
- 競合性が低いワードを扱うため、比較的順位がとりやすい
- 地道な作業ではあるが継続すればサイトパワーが上がる
以上のポイントに注意してロングテールSEOを実践できれば、初心者の方であっても記事が書きやすい上に順位がとりやすくなるのではないでしょうか。
確かにサイト管理が煩雑になるという欠点も存在しますが、本気で取り組めば必ずや成果を上げることのできる施策と言えるでしょう。
SEO対策についてもっと詳しく知りたい方は、SEOについての記事一覧にSEOに関する様々な記事を公開しておりますので、ぜひ参考になさってください。