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ホワイトペーパーとは?種類や事例を紹介!

市場調査などで見込み顧客からより詳細な情報を集めたいときに便利な手段がホワイトペーパーです。

多くの企業が導入している手法ですが、ホワイトペーパーはどのように情報を集め、どのようなメリット・デメリットがあるマーケティング手法なのでしょうか。

ここでは、ホワイトペーパーとは何か、メリット・デメリットの解説とホワイトペーパーの具体例も紹介します。

ホワイトペーパー施策ってなに?

ホワイトペーパーと言われると、真っ白な紙をイメージしてしまうかもしれませんが、マーケティングにおけるホワイトペーパーは「白書」という意味合いを持っています。

元々政府をはじめとする公的機関が発行していた資料のことを指していましたが、Webマーケティングにおいては、ユーザーにとって役立つ情報が記載されている資料や、会社で取り扱っているサービスや商品に関する資料のことを言います。

ホワイトペーパーはただ誰でも資料を閲覧できるようにしているわけではなく、一般的には会員登録をしたり、個人情報やアンケートを入力したりして情報を提供する代わりに閲覧できるケースが多いです。

企業からはユーザーが関心を持っている分野に関する情報や自社の商品やサービスに関する情報を提供し、その対価としてユーザーに個人情報などを入力してもらうのが一般的です。

具体的には、自社ホームページの「よくある質問」や「資料請求」などといったところからアンケート回答・個人情報の入力欄へ誘導する方法がよくみられます。

自社が関係する分野に興味を持っている人や自社の商品やサービスに関心のある人の情報を集められるのが、この施策の最大のメリットです。

すでに興味関心のある層にアプローチをかければ効果的かつ効率的な営業活動を行うことができます。

また、インターネットなどを用いて簡単に情報が手に入る時代になったことから、相手に直接商品を売り込むプッシュ型の営業活動をしてもあまり効果がなくなってきています。

そのような状態で利益を上げるには、自社のサービス・商品に興味を持っているけれども、購入やサービスの利用までには至っていない層を顧客に育てる必要があります。

そのため、ホワイトペーパーを入手するためにユーザーが入力した情報は、メールマガジンを配信したり、営業が直接アプローチしたりする目的でも使用されています。

ホワイトペーパーのメリット・デメリット

ホワイトペーパーにはメリットだけでなくデメリットもあります。両方を把握したうえで、実際にホワイトペーパーを導入するかを決める際の参考にしてください。

メリット

ホワイトペーパーのメリットとして大きいのは先ほど挙げたように、自社の商品やサービスに興味を持っているけれども、まだ購入やサービスの利用にまで至っていない層の情報を得られるところです。

特に高額な商品は購入を決めるまでに時間がかかってしまうでしょう。そのため、考えている間に商品が必要なくなったり、他の企業の商品に心移りしてしまったりすることは多いです。

そこで検討段階の顧客に対して直接営業をかけるなどアプローチすることで、商品の購入やサービスの利用に誘導できる可能性が高まります。

また、メールアドレスや住所の情報を得られればメールマガジンやダイレクトメールなどで顧客と長期的なコミュニケーションを取ることができます。そのなかで新製品の情報やセール情報など顧客にとって有益な情報を送ることでコンバージョンの機会を多く持つことができます。

それに加え、1つだけでなく顧客の興味度に合わせて複数のホワイトペーパーを用意すれば、顧客ごとの興味度合いの把握も可能です。これによって各顧客に合わせた営業計画が立てられるでしょう。

デメリット

ホワイトペーパーのデメリットは、一度配布したものを修正できないことが挙げられるでしょう。

Webサイトのコンテンツであればいつでも修正できますが、ホワイトペーパーの資料の配布後にミスに気づいた場合、すでにダウンロードされたデータに関しては修正することが不可能です。場合によっては間違った情報によって大きな不利益が発生することも考えられますので、公開する際は注意を払う必要があります。

また、ホワイトペーパーを公開するにあたり、既存資料ではなく新たに制作する場合は制作コストがかかります。目的やターゲットとするペルソナをはっきりさせ、そこから制作に着手しなければならないので完成まではそれなりの時間と制作費を要します。新しく始める際には手軽に取り組めるマーケティング手法ではないという点もデメリットでしょう。

ホワイトペーパーは競合からのダウンロードも多いのが特徴なのでその点も注意が必要です。

ホワイトペーパーの種類と事例

ホワイトペーパーには大きく分けると顧客が抱える課題を解決するタイプ・自社商品の導入事例を紹介するタイプ・調査やレポートの結果をまとめたタイプの3つに分かれます。

そこから様々な種類のホワイトペーパーが派生しているので、どんな種類があるのか、それに加えて、実際に企業で制作されているホワイトペーパーの事例も見ていきましょう。

ガイドブック

顧客が抱える課題を解決するタイプの代表がガイドブックです。ガイドブックは初心者をターゲットに、自社で取り扱っている商品・サービスに関する基礎知識や自社で培ったノウハウをまとめた資料のことを言います。

ホワイトペーパーの中でも特にダウンロード数が伸びやすいのでガイドブックを制作する企業は多いです。しかし、ガイドブックを制作するにあたっては注意しなければいけないことがあります。

まずガイドブックをダウンロードする人の中には自社商品に興味を持っている人だけでなく、その業界における情報を幅広く集めている人もいます。競合の中から選んでもらうには、自社の強みや他社との違いを、シンプルにわかりやすく伝えることが必要です。

また、ガイドブックは業界のことを知らない初心者でも簡単に理解できるように図や写真を用いてわかりやすく説明を行わなければいけません。したがって、入念な構成の検討や制作が必要なので、完成までに時間がかかりやすい場合が多いでしょう。

事例として紹介するのが株式会社エビリーの『YouTuberタイアップ市場ホワイトペーパー』です。

株式会社エビリーでは動画コンテンツを用いたマーケティング支援を行っており、このガイドブックではYoutuberタイアップのメリットや、タイアップするYoutuberの選び方など、Youtuberタイアップに関する内容がまとめられています。
出典:https://media-radar.jp/detail9187.html

調査レポート

調査レポートでは、自社で取り扱っている商品やサービスに関連する分野のアンケートを実施し、その結果をまとめたものを配布します。

自社でアンケートを実施することもできますが、時間をかけられない場合はアンケート代行会社を利用することで1ヶ月程度と短期間でホワイトペーパーを完成させられるでしょう。

ガイドブックのように顧客に直接メリットがある情報ではないことから、ダウンロードする層はその情報を必要としている同業他社が多い傾向があるのも特徴です。

ここで紹介するのが株式会社ネオマーケティングの例です。こちらの企業は市場調査などを専門に取り扱っている企業であり、自社で取り扱った様々なアンケートの結果をホワイトペーパーとしてまとめています。

このように市場調査を取り扱う企業なら自社の実績を証明するものとして調査レポートをまとめたホワイトペーパーを準備するのも良いでしょう。
出典:https://neo-m.jp/report/

ハウツーブック

顧客が抱える課題を解決するタイプ・自社商品の導入事例を紹介するタイプの両方の側面を持つのがハウツーブックです。ハウツーブックはガイドブックに近い面を持ち合わせており、自社で取り扱っている分野に関する何らかの事柄の手順や作業内容などをまとめたもののことを言います。

自社製品を購入したことによるメリットを顧客側がイメージしやすいため、ハウツーブック方式のホワイトペーパーも多くの企業で採用されています。

こちらも自社の商品やサービスはどんな層に需要があるのかを考えたうえで、その層のニーズにあったコンテンツを制作する必要がありますので、制作には時間と費用がかかります。

サービス・製品紹介

サービス・製品紹介ではその名の通り、自社で取り扱っている商品・サービスに関する情報をまとめます。

これまで紹介してきたパターンはどちらかと言うと自社製品にまだそれほど興味を持っていない層がターゲットでしたが、サービス・製品紹介はすでに自社サービス・製品に興味を持っていて、あとはどの商品・サービスを選べば良いか迷っている層がメインでしょう。

この場合、顧客側で導入するサービスや商品を決めるための資料として用いられる可能性が高いので、自社サービス・商品を選ぶことによるメリットだけでなく、具体的な性能や料金、アフターサービスなどについても詳細に記載することが大切です。

診断・チェックリスト

診断・チェックリストは顧客が抱える課題を解決するタイプです。幅広い層を対象にマーケティング活動ができるのが診断・チェックリスト方式です。

この種類では、「この項目に当てはまる人・会社にはこの商品・サービスがおすすめ」というように、顧客が選んだ選択肢に合わせて商品・サービスをおすすめできます。

また、業務の安全管理などで使うチェックシートをそのまま転用する企業もあります。診断を作成すること自体それほど難易度が高くないので、短時間で制作できるのは診断・チェックリストの便利なところでしょう。

しかし、手軽にできることから、わざわざ個人情報を入力してまで診断を行う人が少なく、手軽ではあるもののダウンロード数は伸びにくい傾向があります。

ここで紹介するのが富士通マーケティングの『食品工場のリスク管理チェックリスト』です。この資料はそのまま現場で転用できることから、主に食品工場のリスク管理に興味関心のあるユーザーの情報を得ることができます。
出典:https://ict-mikata.fjm.fujitsu.com/foodfactory_checklist_request.html

ホワイトペーパーを用いて幅広い顧客に対するマーケティングを成功させよう!

ホワイトペーパーは見込み顧客に関する情報を得るために有効な手法です。

それに、ホワイトペーパーの種類を使い分けることによって自社の商品やサービスの導入を検討している層から、まだ購入には至らないが興味を持っている層まで把握できます。

ホワイトペーパーを駆使すれば効率的な営業活動や顧客の育成をサポートすることができますので、ぜひ一度検討してみてください。